母が認知症だと分かったのは最近なんだけど、思い返してみればもっと昔から、変だなと思ったことはあった。
後で知ったこともあるのだが…
私は中高一貫のプロテスタント系の学校に通っていた。
プロテスタント系の学校は、保護者会でも院長先生が保護者向けにキリスト教の説教をするのだけど、母曰くその中で、「あなたが必要としている人はあなたの側にいます」というようなことを院長先生がおっしゃったらしい。
恐らく聖書からの引用で、まあ、よくキリスト教の説教にあるような文言だよね。
これを母は、
「自分とお金持ちの男性が結婚する予定なのを院長先生が知っていて、それをほのめかしてきた」
と受け取ったらしい。
そのことを母が話してきたのは、私が高校を卒業して数年後のこと…。
その頃母は、
「お金持ちの男性と再婚する予定なんだけど邪魔が入ってできない」
というようなことを言っていた。最初は私も母の言ってることを信じていたのだが、要領を得ないので、母によくよく話を聞いてみることにした。
母の言うことをまとめてみると、
「相手は海外ツアーで出会ったツアコンの男性で実家はお金持ち、再婚の準備に向けて実家を建て直してる。けど再婚を邪魔する人がいて、自分の周りの人にお金を渡して協力してもらってる、そしてテレビで出演者が自分に向けて、再婚するなとほのめかしてくる」
のだとか。はぁ。
明らかにおかしいので、その相手と母とは会っているのか?今度会わせてくれないか?と私が母に言ったところ、母は口ごもってしまった。
もしかして、結婚の妄想!?と思ってネットで検索したところ、
「統合失調症」というワードが上がってきた。これが母の症状に近いっぽい。
そして統合失調症について調べてみたら、
統合失調症もいろんな型があり、妄想や幻覚が主体の「妄想型」というのがある
んだそう。
しかし、幻覚症状というのは母には無さそうだった。
また、
統合失調症の症状は「陽性症状」と「陰性症状」に分けられる。
陽性症状には、幻覚や妄想の他に会話や行動にまとまりがなくなる、突然興奮して叫ぶなどの症状がある。
陰性症状には、周囲に無関心になったり、意欲や集中力が落ちるといった症状があるらしい。そして放っておくとどんどん引きこもる傾向にある、とも。
しかし、この陰性症状らしきものも母にはない。
さらに調べると、「妄想性障害」という病気があることが分かった。
妄想性障害は妄想が長く続くことが特徴で、さらに妄想にもいろいろな種類がある。
その一つに「誰かに愛されている」というのがある(被愛型)。
統合失調症と似ているんだけど異なる点は、
- 幻聴や幻覚が強くない
- 感情が鈍くなったり、意欲が大きく減退したりすることがない
のだそう。こっちの方が、母の症状に近いような気がした。
いずれにしても医師の診断と治療が早めに必要だと考えて、私は医師に相談することにした。
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言動がおかしく、妄想っぽいことを言っているようならそれは「統合失調症」か「妄想性障害」かも。精神科や心療内科に相談してみること。