母は認知症らしい。同居娘の介護記録 〜まずどこに相談すべきか その1〜

今回も、母に認知症の症状が出る前の話。

友人や、福祉関係の仕事をしている知人に、母の妄想についてどうしたらいいか相談をしてみた。

いくつか意見をもらったのだが、どれも実現するのが難しいものばかりだった。

・実家を出たほうがいいという意見。

実家がある人はそういうことができるのかもしれない。「親離れしろ」とかも言われるのだが、そういう問題でもない。ウチは実家がなく、賃貸契約で、家賃を支払っているのは私。そこに母を残して私が家を出たら、その賃貸と私の引っ越し先の賃貸とで、ダブル家賃ダブル生活費になってしまい、お金の問題が解決するどころか大きくなってしまうのだ。

・実家を出ないほうがいいという意見

「反抗しないで大人しく実家にいろ」という意図だったのだが、子どもの家出とは訳が違う。

・統合失調症は仕事をするべきではないという意見

当時、母の妄想被害から、私は母が統合失調症ではないかと思っていた。また、母は当時パートをしていたのだが、「統合失調症かもしれないのにパートなんて無理をさせるな、どんどん鬱になっていくから」とも言われた。しかし、母を見ている限り、パートをすることがそれほど無理でも無さそうだったし、鬱の傾向があるようにも見えなかったし、そんなにパートをすることが本当に問題なのだろうか、と悩んでしまった。

・生活保護を受けるべきだという意見

母だけ生活保護対応アパートに引っ越しをさせて生活保護を受けさせるべきだということらしい。しかし、それを拒絶している人を無理やり引っ越しさせることができるか?また、生活保護が受けられるかどうか確実ではないのに、生活保護が受けられないと分かったら、引っ越し費用と家賃が無駄にかかってしまうことになる。では、私と同居した状態で生活保護を受けたらどうかとも言われたのだが、私は正社員で世間一般くらいの給与を貰っているのに、それはもっと難しい気がする。

・親戚の家に遊びに行って相談するべきだという意見

兄弟や親戚に相談して、と言われることはとても多い。しかし、私には兄弟はいないし、母は問題を起こして親戚から疎遠にされている。そこで私が親戚の家に遊びに行ってみれば?とのことなのだが、問題を起こした人の娘だと言う人が「遊びに」訪ねて母の相談なんてできるものだろうか?

・民生委員を紹介してくれなかった話

生活で困ったことがあったら相談できるはずの民生委員。どの地域にもいるはずの民生委員。同じ市区町村で福祉関係の仕事をしている知人に、民生委員を紹介してほしい、と頼んでみたところ、「うーん、紹介してもいいんだけどねえ、」と、渋られてしまった。なぜ渋られたのかは分からないが、民生委員があまり頼りにならないということなのだろうか。

どれも世間一般的には妥当なアドバイスなのかもしれない。しかし、こちらの状況が一般的ではないからなのかなかなか伝わらず、現実的な解決方法を聞くことがこの時はできなかった。

そして何より、まず最初に相談すべきは「地域包括支援センター」なのだ。

地域包括支援センターは、65歳以上の高齢者とその家族が、今後の介護や医療、生活について総合的に相談をすることができ、専門家が必要に応じて本人に合ったサービスに繋げてくれる。

それを福祉関係の仕事をしている人が教えてくれなかったのはなぜだろう?

「地域包括支援センター」を後に教えてくれたのは、高齢者の訪問診療をやっている精神科専門医の友人と、福祉関連の仕事をしている別の友人だった。

☆まとめ
  • 65歳以上の高齢者の介護で困ったことがあったらまず、地域包括支援センターに相談をする。

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