これは、母が認知症になるずっと前の話。
明らかに母の言動がおかしいので、母に精神科を受診させようと試みるも、母は受診を拒絶。
そこで、精神科の先生のアドバイスを得て、母にはまず、「(精神科ではなく)心療内科に行ってほしい」という言い方で、クリニックに行くことを勧めた。しかし、「精神科と同じでしょ」とあっさり言われてしまった。
次に母が精神的に参っていることを理由にして、「再婚を邪魔されて参ってるんでしょ?」と母に言ってみた。しかしこれも、「私は病気じゃない、病院なんて行く必要ない!」と完全に拒絶されてしまった。そして私は再度、先生に相談しに行った。
そこで、娘の私が困っているという体で、私がお世話になっていた精神科の先生に、母を呼び出してもらうことにした。そしてその時に母のカルテも作ってもらうことになった。
しかし。
母はやはり受診しなかったらしい。
先生によると、電話でアポイントメントを取ったのだが、母はその日に来なかったのだそうだ。
母を問い詰めると、先生に来いと言われたその日、都合が悪くて行けなかったのだと。
もうこれ精神科に出向く気、完全にないだろ。
それから先生の私に対する態度もだんだん冷たくなっていった。
当時、私は30歳くらいだったのだが、先生から「結婚して家を出るという発想はないのか」とか「母を別居させて生活保護を受けさせたらどうだ」とか怒られるようになった。
結婚は相手があってのことだし、そもそも家庭がこんな状況なのが原因で結婚まで辿り着かないことだってあった。
そう先生に伝えると、「愛が足りないからでしょ!?」とのこと。
また、母のように低収入の場合、生活保護を受けられるのは確実なのか、と先生に尋ねたところ、「それは分かりません」と言われてしまった。
それは最悪の場合、生活費が2倍になるだけだし、私は正社員だけど私の収入でそこまでは賄えない。
例えば「実家」というものがしっかりあって、母にも相応の資産や収入があれば、母と物理的に離れるという手段もあったのかもしれないが、ウチはそうではなかった。先生はそこら辺の事情をあまり汲み取って下さらなかったように思う。
そんなことがあり、私は他の精神科に転院することとした。当時住んでいた区内にあるところで、評判の良いクリニックを選んだ。
そこの先生は優しくて、とても親身になって話を聞いてくださり、いろいろな制度も紹介してくださった。
心療内科・精神科は、今まで4人の先生にお世話になったけど、
自宅と同じ自治体のクリニックでは、その地域の医療・福祉に詳しく、サービスも紹介してもらえるというメリットがある。
例えば、「福祉タクシー」というもの。私が紹介してもらったのは、患者が暴れて通院を拒絶しても屈強な男性が抑えつけて病院まで運ぶというサービス(驚)で、確か1回1〜2万円程度でやっているらしい。
ウチは利用しなかったし、今もあるのかは知らないが、そういう情報を教えてもらえるというメリットは大きいと思う。
ところで、母の言動がおかしいことで実際何が困ったのか?それに対してどう対処しようとしたのかは、また次回。
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医師との相性もある。合わない場合は変えることも検討する。
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自宅と同じ自治体のクリニックに行くと、地域の医療・福祉、サービスの情報が得られることもある。